東北の今

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、メディアのあり方そのものを根本から問う出来事となりました。とりわけ東北地域では、津波被害、原発事故・放射能問題が引き起こした様々な現象のなかで、そして、風評被害や風化といった問題において、そもそも「東北地方」という場所が抱えざるを得なかった歴史・文化的な背景、そして社会的に不均衡な構造が露呈することとなりました。

 一方で、東日本大震災をきっかけとして、既存のメディアのみならず、市民やアーティストらによる情報発信や地域活性化の動きも多く見られます。震災を広く世界に、未来に伝えていこうという動きもあります。地域でがんばっている人たちがたくさんいます。「東北メディアラボ」は、このような地域の活動を応援しながら、一緒に東北地域のメディア実践をつなぎ、情報を開いていきたいと考えています。

東北メディアラボが目指すもの

「東北メディアラボ」は、メディア文化論の学生が中心となり、2014年冬に発起しました。上記のような目的のもと、メディアの研究者や学生と実践者(マスメディア、ローカルメディア、ソーシャルメディア、市民メディア、アーティストなど)との協働や対話を通じて、多様な視点や価値観、経験を交えることにより、東北地域が抱える問題に向き合い、解決する糸口を探すとともに、新たな気づきを創発し、さらなる実践へと導く開かれた「場=ラボ」をデザインしていきます。

「東北メディアラボ」は、メディア関係者、メディア実践者、アーティスト、市民、学生のみなさまの協力を得て、実験的で創造的な取り組みを行っていきたいと考えています。

「東北メディアラボ」は、メディアの研究と実践の場をつなぎ、互いに学び合い、協力し合うことを通じて、東北地域におけるメディア研究とメディア実践を活性化すること、そして、東北からのメディアを通じた情報発信を促進することを目指して、東北大学情報科学研究科メディア文化論研究室の学生を中心として立ち上げられました。