東北大学大学院情報科学研究科長 ・亀山 充隆

 高度情報化社会の健全な進展は,新たな情報端末機器や情報コミュニケーションのためのソフトウェア開発だけではなく,それらをいかに適切かつ有効に利用するのか,そのルールやマナーをどうするのかなど,人間の側面からの教育にも大きく関わっています。この課題に挑むためには,技術と倫理,理論と実践などを総合的に包括した教育研究プラン・体制・スタッフが必要不可欠です。このような意味で,工学・理学・人文学分野で構成される学際性・文理融合を特徴とする本研究科は,本プログラムを遂行する上で最適の研究科であり,まさに本事業でその特色を最大限に生かすことができるものと確信しております。

 「情報リテラシー教育専門職養成プログラム」は,時代が求める,たいへん意義ある事業です。「情報教育」に興味を持っている学生や「情報教育」に教育現場で取り組んでいる教員の皆様におかれましては,本研究科のこの魅力的なプログラムに参加いただき,情報社会を健全に発展・成熟させるための研鑽を図っていただくことを希望致します。



情報リテラシー教育プログラム支援センター代表 ・ 関本 英太郎

 情報倫理・モラルの必要性を唱える声が次第に高まっています。PC,インターネット,ケータイなど,デジタル技術を駆使したコミュニケーション機器の進歩・発達は目を見張るものがありますが,この機器の影が次第に色濃くなってきたのかもしれません。このような状況において「情報教育」の重要性はいくら強調してもしすぎることはないでしょう。

 文部科学省は,「情報教育」の目標として「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」の3つを掲げています。ICTツールの使い方を教えスキルの向上を目指すだけでなく,それを使用する効果や意義,またそれが社会や人間にどのような影響・作用を及ぼしているのかということもまた考えていかねばならないのです。

 「情報リテラシー教育専門職プログラム」の目標もそこにあります。本プログラムは,このように総合的かつ体系化された「情報教育」を担う人材の育成を目指しています。しかも,大学院が取り組むプログラムとして,常に情報教育の最新の理論を探求し情報社会について考察し,そしてその知識のもとに時代が求める有効な実践的・実用的プログラムを創造・開発しようとしています。つまり,「情報教育」において先頭に立って時代をリードする人材を育成しようとするのです。これからの「情報教育」をどうするべきか,どうしたいのか,そのような関心や意欲を持っている人は,少なからずいるはずです。ぜひともこのプログラムを履修し,「情報教育」を担う有為の人材として活躍してほしいものです。